ナースのお仕事的な看護師の日常

初めての急変(らしきもの)にあたる

部屋持ちを始めてから、早いもので4ヶ月目に突入しています。最初はどうなるかと思った部屋持ちですが、時々すごく忙しいこともありますが、ヘルパーさんやフリーのナースもいるのでどうにもならない時は手伝ってもらいながらどうにか業務をこなしています。

そんな中、突然やってきました!急変!今のリハビリ病院で働き始めてから、急変にあたったことはなかったので、6・7年ぶりです。もー、怖かった。急変というか、実際にはそこまではいかなかったんですけどね。

その患者さんは2・3日前に入院してきたばかりで、その日初めて受け持ちました。なので、いつもの様子はわからなかったのですが、朝行った時点で傾眠で、起こしてもすぐ寝てしまう感じ。
しかも、結構な無呼吸っぷり。「えー」と思いましたが、起きていれば受け答えは普通にできるし、一応のため対光反射やら瞳孔やらを見て、リーダーに報告して、その日は担当医もいなかったし、バイタルも問題なかったので、とりあえず様子を見て明日報告しようということになりました。

しかし、その1時間後、リハさんが患者さんが血圧が高めなのでリハビリが心配という報告をもらったので見に行ったところ、頚動脈の拍動がなんだかやたら不規則で徐脈。実測でも脈拍40前半です。本人は眠気が強い以外は普通で、意識を失っている様子もありません。でも怖いので一応モニターをつけてみたところ、ステーションにとばしたモニター波形上HRが20~40回/分くらいしかありません!こりゃやばいと、リーダーさんが担当医以外の先生に報告してくれている間に、私は採血や心電図、点滴の指示が出るだろうと準備を始めました。しかし、その最中に、モニターがピーーーーーと伸びたからさぁ大変。

「アレストーー!!!」と先生が叫び、それを聞いた私の頭は真っ白になりました。手も震えます。すぐにまた心拍は始まりましたが、モニターを見ているとまたいつ止まってもおかしくない感じ。とりあえず、急いで救急カートを持って部屋に入ると、そこにはきょとんとした患者さんが・・・。これだけの徐脈のわりにご本人はいたって普通。多少はだるそうなんですが、返答もできるし、血圧もむしろ高いくらい。うーん。どういうこと?私の頭では理解しきれません。

とりあえず、ルートキープを先生がします。モニターを見たいけど、モニターはステーションにしかとばせず、部屋で見られるようになっていないので、必要なコード類を他の病棟から手配します。レントゲン・心電図は「急変だからすぐにポータブルで来てください!」って連絡したのに、すぐに来てくれたのは心電図のみ。レントゲンは30分くらいくるのにかかったんですけど!まぁ、今回に関してはルートとった以外は吸引も必要なさそうだし、酸素も必要なさそうだし、なんだか急変とまではいかない感じだったので多少遅くてもいいけど、本当の急変じゃ絶対に許されません。もどかしいことばっかり。

新卒後働いた大学病院では日勤帯でしか急変に当たったことなかったのも幸いして、ドクターもすぐにわんさか来てくれたし、ナースもいっぱいいたし、みんな落ち着いていたし、物品も設備もしっかり揃っていたので、むしろあんまり怖くなかったんですよねー。元々全個室だから部屋移動とかもないし。なので、集中して、みんなで「助けるぞ!」って一致団結してがんばるみたいなのが嫌いじゃなかったんです。

ブランク後に勤めた地方の内科病棟は先生が少ないし、来るまでに時間がかかるから、婦長さんがあれこれ指示を出して、その圧がすごすぎて、怖くて仕方なかったけど、基本フリー業務だったからあまり中心になって動くこともない感じ。挿管の介助は婦長か受け持ちナースがするので、せいぜい吸引したり、アンビュー押したり、薬剤吸っとくくらいでしょうか。あとは検体をもって走ったり、物品集め係や連絡係、大部屋だった場合は他の患者さんを移動させる係みたいな。でも、一応対応できるだけの物品はあるので、怖いといえどもどうにかなりました。

今のリハビリ病院は基本元気めな患者さんのいる病院。救急カートの物品が基本弱めです。モニターの波形もナースステーションに飛ばすのみで病室で見られるようになっていませんし、挿管セットは入っているものの、人工呼吸器は病院内にないので、もし本当にまずい場合はアンビューを押しながら救急車を待ち、搬送先まで押し続けるらしいです。

それくらい急変がないってことの表れなんだろうけど、急変時に何が怖いって、物品と設備がままならないことですよねー。まぁ、私が来てからの一年半近く、本当の急変はないのでそのくらいの頻度のためにあまり大げさなものは準備できないのかもしれませんが。せめて心電図は部屋で見られるようにしてほしいものです。

ちなみに、その患者さんは救急車で転院になりましたが、抗不整脈薬がたまっていたことによる徐脈だったとのこと。その後落ち着いて、また戻ってきました。よかったよかった。

リハビリ病院では急性期の病院のように物品が揃っていないということは、そんな風になる前に我々ナースが変化に早く気づいて、とんでもないことになる前に転院できるようにすることしかできないんでしょうねー。そう考えると、やっぱりナースは責任重大ですね。

-ナースのお仕事的な看護師の日常